我流 人間の学としての倫理学 no-1
常にSOS takashi008@cna.ne.jp 山田隆
「倫理」という言葉の意味
倫理学とは何であるかという問いに答えて、それは倫理あるいは道徳に関する学であるというならば、そこには一切がこたえられているとともにまた何事も答えられておらない。倫理学は「倫理とは何であるか」という問いである。だからそれがかかる問いであるとして答えられるのは正しい。しかしそれによってこの問い中身には全然触れられるところはないのである。したがってこの問いの中身は倫理学自身によって明らかにせられるほかはない。
この最初の冒頭の部分は小生にとって 21歳の東北秋田から初めて大学の講義を受けて、衝撃的な人生のオリエンテーションのごとく、その後の人生の方向を決定したようなキリスト教倫理学の講義の最初の小さな教室にいた我々生徒に向かっての問いであった。
ある生徒は哲学、ある者は道徳、皆さまざまに人それぞれに答えていたような気がする。
私は自分のブログにおいて、これから常に SOSの発信をしてこの書物を理解しようと努めていくつもりである。
この難解な書物を浅学な私を助けると思って助言をください。お願いします。
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平成31年 4月9日
この書物の最初のページに【西田幾多郎先生にささぐ】とある。
私はこの書物の著者、和辻哲郎を呼び捨てしないで、心の中に敬意をこめて和辻哲郎先生と呼ぶことを決意した。この書の「序」の最初の1頁で
昭和9年正月 著者 とある。
最初にこの時代背景について私は関心を抱いた。どんな時代背景のもとに先生はこの倫理学の書物を著したのであろうかと遠い星くずのような距離感のある昭和の初めの歴史的背景に興味をいだいたのであった。図書館に行って詳しく調べればもっとリアルな時代の空気を探ることができるかもしれないが、そこまで私は学者になるつもりはない。したがって私の書棚にある私が好んで読む戦争関係の書物から参考になる出来事を拾い出して時代の空気を想像しようと思った。
wait a minute.書庫の中の数冊の書物を調べたが参考になるようなことが見いだせなかった。ただ一冊「真珠湾攻撃総隊長の回想」という書物を引っ張り出してきて作者の関連の年表が参考になった。
昭和11年 2.26事件 日独防共協定成立
時代は大東亜戦争に向かって日本の国が軍国主義一色になりつつあるような暗い時代になりつつあるようであった。
この書物のカバーに先生の書斎にいて書物を読む顔写真が載っていた。実に知的で優しそうな尊敬できるような印象を私は抱いた。この先生の生涯追求した倫理学の真髄に、わずかでも自分のフィナーレまで近づけたら素晴らしいことだと思った。要するに私はパーフェクトに達しなくても、そこまでのプロセスが大切だと信じている。